後悔しない 「終活」と不動産の将来について
最近、「終活」という言葉をよく耳にするようになってきましたが、これは「自身が人生を終えるにあたっての準備活動」のことで、「心残り」や「不安」を取り除き、この先を有意義に生きるための準備と言い換えることができます。
まず思い浮かぶのは、葬儀やお墓、身の回りの整理などについてではないでしょうか。
でも忘れてはいけません。実は、「不動産」もかなり関係があるのです。不動産は大きな財産としてご家族に利益・安心をもたらしますが、それゆえに将来のトラブルのもととなることも少なくないのです。売却、買取、賃貸運用だけでなく、空き家管理などの選択肢がありますので、ぜひこの機会にご検討ください。では終活のうち、住まいについてできること、やっておくべきことはどのようなことでしょう。
子どもや親族に「不動産をどうするか」考えを話す
遺産相続を考えるにあたっては、「お金」のことだけでなく、ぜひ「不動産」にも目を向けてみてください。高額な財産ですし、いつ介護施設などへ移り、誰も住まなくなってしまうかもしれない……。まだまだ遺産相続なんて早いのでは……と後回しにしてしまいがちですが、いざというときのため、不動産の将来をお身内の方と話し合っていただければと思います。
住宅についての情報を書面にまとめ、書類をそろえる
たとえば不動産を親族に譲りたい場合は相続の準備が必要になります。相続が発生したとき、相続人がまずしなければならないことは「相続登記」です。これは法定相続人全員の意思の一致が必須です。
また、売却する場合は、不動産購入時の金額を証明する「売買契約書」や「領収書」、売買の際にトラブルを避けるための「境界線の確認」なども必要です。万が一の事態に備え、事前にご家族との確認や書類の受け渡しなどをしておくことは重要なのです。
現在の住まいの整理整頓
遠方にある使い道のない不動産を相続した場合は、売却をお考えになると思います。その場合には、家の中をからっぽにする必要があります。これは遠方にお住まいの方には大変な作業です。業者に依頼するという方法もありますが、お元気なうちに不要なものは少しずつ処分しておくとよいでしょう。また、荷物を掘り出しながら思い出にひたることも、今後の過ごし方をさらに明確にするかもしれません。
ここまでお読みいただくと、「終活」とは、死ぬことを前提にしているのか……と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも「これからの人生をよりよく生きるための活動」です。これまでの人生や思い出を振り返りつつ、ゆとりのある今、ぜひ前向きにお考えいただければと思います。